今回は、Ai Nocto Nikkor 58mm F1.2S
夜間撮影用とネーミングのあるレア物のレンズ。
手作業による精研削非球面レンズを採用した夜景や天体撮影が可能な特殊なレンズ。
「Noct(ノクト)」という名称は、「Nocturne(ノクターン)=夜想曲」からネーミングされたとメーカーカタログに記載されている。焦点距離 58mmでF1.2の明るさ。
では、AI Nikkor 50mm F1.2Sと、どこが違うかだが、夜間撮影して初めて別物だと分かる。
全く印象の違うクッキリとした写真が撮影できる。それ以外では、価格が約3倍高い。
発売年月日:1982年4月(昭和57年)Ai-S化
当時の価格:150,000円 ※1998年3月 販売終了時168,000円
6群7枚 精研削非球面レンズ×1枚
最短撮影距離0.5m 最大径×長さ(約)74×63mm
前面外付けフィルターサイズ 52mm
販売終了している上に、もともと玉数も少ない。標準レンズとしては極めて高価な一品。
Nikon派なら、プロ・アマ問わず誰もが必ず欲しいと思うレンズなので、当然、プレミア価格になってしまう。現在の一般市場価格は、300,000円~350,000円といったところか。
また、一部レンズで、Nocf-Nikkorと「t」が「f」で刻印されているイレギュラー品が存在するが、それだと今まで500,000円以下では見た事がない。
巷の噂では存在するのは数本と言われた事もあったが、今は、シリアル№192801~193200?ではないかと言われている。多分、一部製品の№は輸出用だと思う。
国内では、その内の 192850~192980番台の物が、何本か確認されている。
このレンズについての説明を少々。
コントラストの高い夜景や天体の撮影で、被写体が点のような像の場合、サジタルコマフレアといわれる「にじみ」のような収差が発生する。特に開放絞りで撮影すると、鳥の羽のようなベールが素人目にもハッキリとわかる。これを、極力レンズ補正で無くしたレンズがノクトニッコール。
このレンズで撮影すると、夜間撮影がうまくなったんじゃないかと誤解するほどキレイに撮れる。
言葉ではなかなか的を得た説明が出来ないが、夜間でも手持ち撮影で簡単にクッキリとした鮮明な写真が撮影できると言えば、想像がつくかも。
メーカー参考サイト:http://www.nikon-image.com/jpn/enjoy/interview/historynikkor/2003/0304/