レッドウイングのローカットブーツと言えば、普通、トゥーがモカのタイプで、セッタースタイルで丈が低いだけのRW-8104あたりを想像される方が多いかもしれません。
しかし、今回紹介するのはサイドゴアブーツのRW-2143です。1980年代中期頃の製品。
多分、正規品としては国内に入っていない品番だと思います。並行輸入か、個人で旅行に行った時に現地で購入して持ってきた物が、あるくらいではないでしょうか。私の場合は後者で、ロンドンのデパートでセールの時に買いました。
確かUS60ドルくらいだったと思います。
変な話ですが、つい最近、奇跡のデッドとかで、\24,000.-でこれの売物を、ネット上で見つけました。←(@_@;)
訂正:レッドウイング公式サイトで、1995年に国内で正式販売
した実績があることがわかりました。
品物としての感触や品質ですが、セッターと違い、大変軽くできており、スニーカーのような感覚です。
また、ソールはオイルレジストのビブラム(Vibram)ソールが接着されており、基本的にソール交換はできない仕様です。
表面のアッパー革については、通常厚の表革が使用されており、オイルメンテで光沢のある表面になるのは、セッターと同じです。
ただ、貧乏性の私に言わせるなら、軽い=チープにつながる感覚が少しあるので、仕方がありませんがセッターより格下です。
ただ、かかとの内側がその他のモデル同様、裏革でできているので、長期間使用しても磨耗に強く、表革によくあるような、革のスレを気にしなくていい安心感は、合格点がでる部分です。
かかと内側のスレは、仕事などで履く革靴でよく見かけますが、かかとの内側がスレてくると、靴そのものが「へたった感」が出て嫌なものですが、私のレッドウイングが好きな点は、こんなチョットしたところでもあります。←コダワリ部分が、ちょと細かすぎるぞっと。(^_^;)
学生時代、サイドゴアのブーツはサイドのゴム部分がすぐビロビロに伸びるんじゃないかと思い、はっきり言って嫌いでした。
しかし、案外、丈夫な作りとなっていて、何年も履けば別ですが、普通の履き方では心配しなくていいレベルなのは、実際に購入してから判った事です。
サイドゴアブーツの場合、最近の現行モデルでは、CHELSEA RANCHER(RW-8896~8898)シリーズがあります。これらのシリーズは、丈が6インチでセッター同様の高さがあります。
サイドゴアブーツそのものは乗馬用のブーツがルーツなのですが、ロンドンのチェルシーで流行った為に、「チェルシー」の名前がついたと言われています。
サイドゴアブーツは、きっと他社メーカーの製品でも、そのスタイルに見覚えのある方も多いでしょうが、高級品のダンヒルやフローシャム、チャーチなどの高級品でもよく見かけるようなポピュラーなブーツスタイルです。
レッドウイングの公式サイトの解説によると、もともと、牧畜業者(ランチャー)がこのブーツを好んで使ったらしいのですが、中でも牧羊業者が羊の毛を刈る時に靴の中に毛が入らないので重宝していたようです。ただ、全米で最も羊の多いテキサス州でも牧羊業が廃れてしまい、1940年当時の1/10になってしまっているそうです。しかし、まだ欧州やオーストラリアでは牧羊が盛んでもあり、この手のブーツが広く利用されているとの事でした。
(参考)メーカー公式サイト:http://www.redwingshoe.co.jp/